このページでは、中国輸入ビジネス×Amazonにおける商品原価の計算方法についてお伝えしたいと思います。
この計算方法が結構複雑でして、中国輸入はもちろんですが、輸出入ビジネスを事業としてされている方であれば、悩みやすい部分だと思います。

ただ、輸出入がからんでくるとそうもいかず、いろんな経費がかかってくるため、商品選定段階で計算しておかないと、将来的に数百万単位の損をしていたり、そもそも赤字で販売していたなんてことにもなるので、しっかり理解していただきたいと思います。

なんてことにならないように、可能な限り経費計算をしておきましょう。
目次
利益額・利益率の計算方法
利益額・利益率の計算方法は、基本的にはどのようなビジネスモデルでも同じようなものですが、シンプルな方程式で以下のようになります。
利益額=入ってくるお金ー出て行くお金
利益率(%)=利益額÷入ってくるお金
極端な例ですが、商品Aの仕入れが100円、1000円で販売した場合、利益・利益率は以下のようになります。
利益額=1000円ー100円=900円
利益率=900÷1000=90%
利益がこんなにすんなり残ることは稀で、中国輸入ビジネスではさらに多くの経費がかかってくるため、どんなコストがかかるのか、細かく見ていきましょう。
中国輸入ビジネス×Amazon物販でかかるコストとは?
中国から輸入した商品を販売する場合、以下のような経費がかかってきますので、それぞれ細かく見ていきたいと思います。
- 商品原価
- 代行手数料(購入手数料、検品費用etc)
- 中国国内送料
- 輸入送料
- 関税/消費税/地方消費税
- 販売手数料
- FBA在庫保管手数料
- FBA配送代行手数料もしくは自社発送
このページでは、以下の商品を用いて実際に計算してみたいと思いますが、実際の販売数などはあくまで参考としていただき、為替レートは20円/元で計算をしてみたいと思います。

1. 商品原価
アリババでの商品は、以下の工場から1,000個発注するとして、原価は1個あたり42元ですので840円となります。
販売数によっては、仕入れロットがさらに増えて、原価が下がる場合もありますので、初回発注から値引き交渉はできるだけしないように、仕入れ原価を工場に確認してみましょう。

2. 代行手数料

ここでは、固定の月額費用を払っていると仮定し、商品原価には含めないことにしますが、代行手数料として考えておかないといけないコストとして、
- 仕入れ手数料は何%?月額固定?
- 検品費用は?
- 支払いは銀行振込 or クレジットカード?
- 代行会社(個人パートナー)が決めている為替レートは?
など、ご自身の資金状況や商品によって、代行にかかる費用は大きく変わってくるので、代行でかかるコストを確認しておきましょう。
3. 中国国内送料
中国国内での、工場から代行パートナー所在地までの送料で、かからないことがほとんどですが、商品サイズや重量によっても変動するため、発注時に、工場に確認しましょう。
今回は、中国国内での送料はかからないという仮定で計算をしてみます。
4. 輸入送料

輸入送料の計算方法について、容積重量と実重量の2パターンがあって、通常、その2つのいずれか重いほうが採用されて輸入送料が決まります。
なぜこのようなパターンがあるかというと、100kgの水と100kgの綿を運ぶ場合を想像してみてください。

明らかに、綿を運ぶ時のほうが容積が増えて、その分運送会社はスペースを確保しなければならず、同じ重量のものを運ぶのに、余計に運送コストがかかってしまいますよね?
それを防ぐために、容積重量計算式というのがあって、それから導き出された重量と実重量の重いほうが運賃の算出に採用されます。
縦(cm)×横(cm)×高さ(cm)÷6,000(㎤/kg)
※会社によっては5,000で割る場合もあります。
下の写真は、イーウーパスポートの海源快速船便の価格表ですが、ここにもしっかり、容積重量の計算式が記載されていますね。

この商品をAmazonの商品ページで見てみると、1個当たりの重量と梱包サイズが分かりますので、これを元にどのくらいの送料がかかるか計算をしてみます。

1,000個仕入れて、先ほどの海源快速船便を使う場合、
実重量=240g
容積重量=20.6×8.4×5.4÷5,000≒0.19g
となり、実重量のほうが重くなりますので、1個あたりの送料の計算としては、以下のように約50円になることが分かります。
0.24kg×1,000個×10.5元×20円/元÷1,000個≒50円
いざという場合は、航空便を使う手もありますが、かなり割高になるので、よほど急いでる場合など以外は、船便でスムーズな在庫補充ができるように、余裕を持って発注を進めましょう。
船便:遅いけど安い
航空便:早いけど高い
5. 関税/消費税/地方消費税
この関税・消費税ですが、商品ジャンルや素材によっても異なるため、主な商品の関税率の目安(カスタムスアンサー)を参考に確認いただき、それでも分からなければ最寄りの税関に問い合わせてみてください。
関税額=CIF価格(Cost(商品価格)+Insurance(保険料)+Freight(送料))×関税率=①(100円未満切り捨て)
消費税額=(CIF価格(1,000円未満切り捨て)+①)×消費税率=②(100円未満切り捨て)
地方消費税=②×22÷78=③(100円未満切り捨て)
輸入をする際には、関税・消費税・地方消費税に加え、通関手数料なども発生しますが、そこまで高額ではないので今回のシュミレーションでは省略、この商品は「台所及び家庭用品」に該当しますので、関税率は3.9%で計算します。
海源快速船便を使う場合、保険料はすでに含まれているので、送料50円のみを計算式に含みます。
関税額=CIF価格(Cost(商品価格)+Insurance(保険料)+Freight(送料))×関税率
=(840円+50円)×1,000個×3.9%
=34,700円(100円未満切り捨て)…①
消費税額
=(CIF価格(1,000円未満切り捨て)+①)×消費税率
=(890,000円+34,700円)×7.8%
=72,100円(100円未満切り捨て)…②
地方消費税額
=②×22÷78
=72,100×22÷78
=20,300円(100円未満切り捨て)…③
関税・消費税は①、②、③の合計で約127,100円、約127円/個となるので、今回の仕入れでは、商品・輸入送料合計の約14%が関税・消費税として加算されることになります。
区分 標準税率 軽減税率 消費税率 7.8% 6.24% 地方消費税 2.2%
(消費税額の22/78)1.76%
(消費税額の22/78)合計 10.0% 8.0% 財務省・税関「消費税率引上げに伴う税額計算について」(2023年5月現在)
6. 販売手数料
今回の商品は「産業・研究開発用品」カテゴリの商品ですので、Amazonの出品にかかる費用のページでチェックすると、販売手数料は15%で計算します。
1,980円で販売すると、販売手数料は297円です。
7. FBA在庫保管手数料(FBAを使った場合)
今回の原価計算には含めませんが、Amazonの倉庫に納品して保管をしてもらう場合、日割りで保管料がかかってくるため、送料を抑えるために必要以上にFBAで在庫を保管したり、大型の商品を販売する場合、意外とコストがかかるので要注意です。
実際にどのくらいの保管手数料がかかるかは、FBA料金シミレーターで確認してみましょう。
1月~9月と10月~12月で異なる在庫保管手数料が適用されます
期間 小型/標準サイズ 大型サイズ/特大型サイズ 在庫保管手数料 1月~9月 5.676円 x [商品サイズ(cm3)] /(10cm x 10cm x 10cm)
x [保管日数] / [当月の日数]
4.370円 x [商品サイズ(cm3)] /(10cm x 10cm x 10cm)
x [保管日数] / [当月の日数]
10月~12月 10.087円 x [商品サイズ(cm3)] /(10cm x 10cm x 10cm)
x [保管日数] / [当月の日数]
7.760円 x [商品サイズ(cm3)] /(10cm x 10cm x 10cm)
x [保管日数] / [当月の日数]
上記の手数料には10%の消費税が含まれます
Amazon「服&ファッション小物、シューズ&バッグ以外の商品の在庫保管手数料」より(2023年5月現在)
8. FBA配送代行手数料
これもFBA料金シミュレーターで確認したところ、配送代行手数料は434円でした。
商品のサイズ・重量によっては、FBA配送ではなく自社発送をすることで利益率が良くなる場合もありまし、AmazonにはFBA小型軽量商品プログラムというものもありますので、配送方法についてはいろんな選択肢を視野に入れておきましょう。
まとめ
最後に、実際の利益率を計算してみると、以下のようになりました。
仕入れ(中国元) | 42元 |
日本円 | 840円 |
輸入送料 | 50円 |
関税・消費税 | 127円 |
販売手数料 | 297円 |
FBA手数料 | 434円 |
経費合計 | 1,748円 |
販売価格 | 1,980円 |
粗利 | 232円 |
利益率 | 11.7% |
今回の算出条件では、利益率が11.7%となり、商品選定の基準としてお伝えしている利益率30%以上をクリアできていませんね…。
このように細かく利益率計算をした上で、目標の30%をどうしても下回ってしまう場合は、
- 工場に商品原価の交渉をする(将来的に)
- 別の輸入方法を検討する
- 高値売りをする方法を考える
などを考えつつ、それと同時に、資金回収計画を立てることも大切なプランニングですので、以下の記事を参考に、お金の流れを可視化してみてください。
追伸
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