中国輸入ビジネスでサンプルを発注すべき理由と注意ポイント

中国輸入に限らず、OEMビジネスとなると「サンプル、サンプル」ってよく聞くね。
工場が国内だろうと海外だろうと、実物を見て「市場が求めているもの」「市場の需要を満たせるもの」をチェックするのは、OEMの本質ですね。

今回の記事では、商品選定から本発注をする前の、サンプルの購入についてお伝えしたいと思います。

実際に、Amazonでのベンチマーク商品を買ってみたり、本発注をする前に工場から実際に少量仕入れをしてみてください。

スクリーン上で見るだけでは、実際に目視したり、触ったり、匂いを嗅いだりと、手にとってみないと気付けないことがたくさんあります。

ライバルセラーのベンチマーク商品をAmazonから購入

1. どのような品質改善ができそうか

商品リサーチで商品選定がある程度できたら、Amazonでライバルセラーの商品を実際に購入してみましょう。

このビジネスモデルは、すでにあるベンチマーク商品の品質に、プラスアルファの付加価値を加えて販売するというのが基本です。

商品ページや商品レビューからでも付加価値の検討はできますが、ベンチマーク商品を手にとってチェックしてみることをオススメします。

副産物的な目的として、ベンチマーク商品を購入した後に、そのライバルセラーが購入後にどのようなカスタマーフォローをしているのかを、こっそり研究することができます。

商品レビューを溜めるのが得意なセラーであれば、購入後のフォローメールなども参考にすることができます。

2. 相乗り出品でどのくらいのPV数(閲覧数)があるかをチェックできる

ライバル商品のカタログに相乗りすることで、そのページの閲覧数が確認でき、ある程度の販売数などのデータが取れます。

新品として出品すると商標権などを主張されリスクが伴いますが、中古品として出品すれば追い出されることはありません。

中国の工場からサンプルを購入

商品選定・改善点の精査ができたら、中国の現地工場のリサーチをやっていきます。

以前に比べ、「世界の工場」と言われるだけあって、中国製品の品質も格段に向上してきていますが、中国に限らず工場によっては品質があまりよくないこともあります。

工場によっては品質がまったく異なることがほとんどで、将来的に本命の工場が潰れたりして仕入れができなくなった場合などに備えて、必ず複数の工場をピックアップして、実際に仕入れをする工場を選定するようにしましょう。

中国側の現地代行業者がまだ決まっていない場合は、代行業者の選び方について記事も参考にしてみてください。

ポイント

工場を選ぶ際は、「最低ロット」「品質」「原価」の3つのバランスを考えよう!

1. サンプルは1個ではなく複数社から複数個発注しよう

サンプル発注をする工場は、1社ではなく、最低でも3社を目安に、また、発注するサンプルは1個ではなく複数個で発注するのがオススメです。

1個だけだと、選りすぐりのとりわけ完成度の高いものを送ってこられる可能性が高いので、複数個を見て品質のバラつきをチェックしてください。

「1,000個発注したらほとんど不良品だった」なんてならないように、本発注前にも、例えば50~100個程度のロットが少し大きめの仮発注をはさんでおくことで、実際の工場の実力をチェックしやすいですね。

2. 希望している商品仕様が可能か

ベンチマーク商品をチェックした上で、それを少しでも上回るために、それが実現可能かどうかを工場側に確認します。

Amazonから購入したベンチマーク商品と中国からのサンプル品を比較して、勝算がある商品を作れるのかどうかを見極めた上で、コストによっては商品化しないというのもあり得ますので、工場とすり合わせをしてみましょう。

売り方次第では、改良点がまったく無くても、ベンチマーク商品の品質と同等以上であれば、商品としては販売可能なことがほとんどです。

工場にしたい具体的な質問例
  • ブランド名をいれたサンプル作成の可不可(刻印、タグ、印刷etc)
  • ブランド名をいれたサンプルの発注ロット数や単価
  • ロット発注時のサンプル代の返金可不可
  • 発注可能なカラーやサイズ
  • 他の工場との違い
  • パッケージの取り扱いの有無・発注ロット・単価
  • 説明書や付属品などの同梱物の同梱作業の可不可と費用
  • ロット発注時の各数量による納期変動
  • 旧正月前などの製造キャパシティ
  • Amazonセラーとの取引実績の有無

3. 実際の商品サイズをチェック

実際に商品を見て、梱包の仕方に工夫の余地がないかをチェックすることで、送料を抑えることができるケースがあります。

というのも、FBAでの発送を利用する場合、1cmでもオーバーすると、サイズ区分があがって送料が余計にかかってしまい、利益率が大きく変わることがあります。

例えば、以下のようにサイズ区分が分けられていますが、最大寸法が1cm超えるだけで、標準サイズ区分2aの434円で送れるものが、標準サイズ区分2bの465円で計上されてしまいます。

30円の差が出ると、月間販売数500個だとしたら、500個×30円×12ヶ月=年間18万円の差が出ます。

柔らかい商品であれば可能な限りコンパクトな箱に梱包し直したり、そもそも箱が不要で、OPP袋で十分な場合、事前に中国の現地代行業者に依頼することもできます。

大量に発注したものが届いてからパッケージを変更しようとすると、膨大な時間と労力がかかるので、サンプルチェックの際に事前にサイズをチェックしておきましょう。

4. サンプルがあれば写真撮影も可能に

サンプルが1個があるだけで、商品ページ用の写真作成を開始できます。

商品によっては製造に数週間かかることもざらなので、その時間を有効利用して写真撮影を進めていきましょう。

画像加工という手もありますが、ブランドロゴやタグをすでに付けてもらったサンプルが準備できれば、商品写真でも差別化がしやすく、相乗り対策になります。

5. 最低限の品質クリアと妥協点を見つける

最低限の品質クリアをしている工場を選定することは必要ですが、ある程度のところで妥協することも必要です。

完璧を求めすぎると、納得がいく工場を選ぶというのは難しいので、販売した際にクレームにならない最低限の品質を確保できるかどうかを見極めて、ベストな工場を見つけていきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

Amazonや中国工場からサンプルを発注することにより、不良品を事前に防いだり、コストの面でも様々な対策を検討することができるという内容でした。

セラーとして商品の品質追求をすることはもちろんですが、その商品を購入者が手に取った時、どんな感情を抱き、その商品を使ってどんな体験を思い描いているのか、というのも、実際に買ってみて感じることができる重要な要素かと思います。